ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「呪いの時代」内田樹

原発問題、対米戦略、英語教育、婚活ビジネス、格差社会。いずれも一筋縄ではいかないテーマについて触れながら、著者によって終始貫かれているのは、ネガティブな批判ではなくポジティブな提言こそが世の中をより良くするという、いたってシンプルな考えだ。物事の瑕疵を見つけて批判するよりも、それらを受容し、その上で力を合わせて一歩前に進む方が生産的であり創造的でもある。そんな主張がすとんと胸に落ちてくる。


内田樹 『呪いの時代』 | 新潮社