ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「愛と苦悩の手紙」太宰治/亀井勝一郎 編

とにかく筆まめだった太宰治の書簡集。酒と女に溺れながら、お金を無心してばかり。愚痴っぽく、死にたい、死にたい、と書くわりに、独りで死ぬこともできなかった。そんな最低でロクデモナイ、金持ちボンボンの弱虫だけど、ときおり「教養とは、まず、ハニカミを知ることなり」とか「酒でも飲まなきゃ、ものも言えません。そんなところに「文化」の本質がある」とか「まけてほろびて、そのつぶやきが、私たちの文学じゃないのかしらん」なんて、すごいフレーズがひょっこりでてくる。悔しいかな、やっぱり天才なのだ。


愛と苦悩の手紙 太宰 治:書籍 | KADOKAWA