ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「危険なプロット」フランソワ・オゾン

才覚と美貌を併せもつ少年がある家族を崩壊させていくパゾリーニ「テオレマ」の現代進化版。甘い罪の味を知ってしまった男が、徐々に冷静さを失い、失墜していく様が、現実と虚構を織り交ぜつつ官能的に描かれる。格差、人種、移民、教育、文化。フランスが抱える様々な問題を隠喩し、ユーモアに包みながら、強烈なアイロニーを感じさせるのもオゾン監督ならでは。噛めば噛むほど味がでるスルメのような映画だ。


映画「危険なプロット」公式サイト