ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「天国旅行」三浦しをん

「心中」を共通のテーマにした短編集。巻末の解説で角田光代さんが書いているように「死を美化していないのと同様、生もまた、美化することはない」ところに、書き手の誠実さを強く感じる。どんな意味を持たせても、死は死でしかない。読むたびに痛みが生じるのは、読み手がそのことに向き合わざるを得ないからだ。


三浦しをん 『天国旅行』 | 新潮社