ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

「キナタイ・マニラ・アンダーグラウンド」ブリランテ・メンドーサ

あのアウシュビッツ強制収容所の門には「働けば自由になる」と記されていたことをふと思いだす。罪悪感は最初だけ。ゆずれないものを守るため、たった1度の悪事に手を染めたが最後、やがて、感覚がどんどん麻痺してしまう怖さが人間にはある。フィリピン社会の「闇」を描きつつ、これは、弱くて、脆い、私たちに向けられた映画でもあった。ちなみに原題の「キナタイ」には「屠殺」という意味があるそうです。