ずっと映画のことを考えている

旧「Editor's Record」(2023.2.28変更)

別冊「太陽」189「木村伊兵衛 人間を写しとった写真家」

いま、この瞬間は、あっという間に過去となってしまう。「写真っていうのはノスタルジーだ」と荒木経維は語っていますが、写真は、美しい瞬間を切りとる記憶装置であるということがいえると思っています。東京下町の街角を、昭和という時代を、技を受け継ぐ職人を、農村の暮らしを、この上なく「美しい記憶」として残した写真家は、木村伊兵衛をおいてほかにはいません。「いつでもカメラを手から離さずにいる事が大事だ」という言葉には、彼の写真に対する向き合い方が如実に表れています。

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