2011-08-01 「窓の魚」西加奈子 書籍 絶対に口にできない秘密や孤独。そんな心の闇ともいえる暗部を、これほど露わに美しく残酷に描けるのは、にんげんと真っすぐに向き合う西加奈子さんならこそ。いつもの大らかな関西弁や、文面から滲みでるユーモアを封印して、「ミルの死骸。その時間、それはこの世で最も美しいものであるように思った」なんてさらり書いてしまう、真に恐るべき小説家です。 西加奈子 『窓の魚』 | 新潮社