Editor's Record

観たモノ、読んだモノ、聴いたモノ。好きなモノの記録。

雑誌

「Fライフ」02「「STAND BY ME ドラえもん」のすべて」

のび太はわたしたち自身だ。「同じ失敗をくり返し、反省しては失敗する毎日」を積み重ね、いつまでたっても「いささかの進歩もない」。それでも、そんなのび太を心から愛する人たち(+ロボット)のやさしさと、明るい未来を信じる力が「ドラえもん」には溢…

「安西水丸 青山の空の下」

「目立たない仕事の方が好きです」と安西水丸さん。その言葉の通り、彼の作品には「どうだ、すごいだろ」という顕示や、「こう思わせたい」という目論見のようなものが、まったく感じられない。なのに、一瞬にして目を奪われ、その後も、心にひたひた沁みて…

「EYESCREAM」No.124「99人によるコム デ ギャルソン」

「コム デ ギャルソンの服を着ているとき、私は素っ裸で歩いているようなすがすがしい気持ちでいる」とか「洋服を通し世論の価値観を変えるほどの革命心を持つ、持ち続けるデザイナーはこのブランドにしか存在しない」とか「自分はどう生きたいのか、お前は…

「WIRED」Vol.12「コーヒーとチョコレート 次世代テック企業家たちのニュービジネス」

この秋、日本に上陸する「ブルーボトルコーヒー」。もっと深く「おいしい」を探求する。まだ誰もやったことのない、新しい「おいしい」をつくる。ひとりの「コーヒーギーク」の尋常ならざる情熱が投資家から4500万ドルもの資金を引きだした。21世紀のビジネ…

「egg」Vol.213「THE FINAL MESSAGE BY FACE of THE☆EGG」

今から10年以上前、高校生向けの雑誌を作っていた頃、ジャンルは違えど、その精神性において、最も強く影響を受けたのが「egg」だった。一切のタブーを排した編集企画はどれも刺激的で、何よりもエネルギーの塊のような女の子たちが最高にまぶしかった。無機…

「Number」No.852「アイルトン・セナの天才性について。」

世界一のエンジンを「おまえのために」作ると約束してくれる本田宗一郎がいて、彼を失うことは自分の思い出、自分のキャリアを失うことだったと語るアラン・プロストがいた。あの熱狂の日々は、同時代を生きる天才たちによって作られたことがよくわかる。没後…

「BRUTUS」No.776「一世一代の旅、その先の絶景へ。」

物事に熱中すればするほど近視眼的になってしまう。そんなとき、ひと呼吸おいて、日常では体感できないところにまで視野を広げていくと、今までとはまったく違ったものが見えてくる。今回の「BRUTUS」を読んで感じたのは、放っておくと、人間の視野はどんど…

「Lightning」Vol.241「創刊20周年特大号」

変わることで時代を生き抜く雑誌もすごいけれど、まったく変わることなく存在し続ける雑誌こそ尊敬に値する。「いつだって好きなモノに囲まれていたい」。作り手と読み手が長い年月をかけて築き上げた信頼のようなものが誌面の隅々から漂ってくる。「Lightni…

「Fライフ」 01「もっと知りたい。藤子・F・不二雄」

流れるような筆致で描かれた今にも動きだしそうなキャラクターたち。藤子・F・不二雄先生の原画に心の底から感動したことがある。白い紙にペンとインクで一枚一枚手描きされたその美しさにまさしく魅了されたのだ。信じられない想像力と創造力で生涯に約5万枚…

「美術手帖」No.1002「ポップアート」

ロイ・リキテンスタインは「つまり皆さんよくご存知の、いろいろな過去のムーブメントのすばらしい思想のすべてに逆らっているのです」と語り、アンディ・ウォーホルは「何でも機械みたいにやることが、ぼくがやりたいことだって感じてるんだ」という言葉を遺…

「dancyu」2014年4月号「たまごが先だ!」

目玉焼きか、ゆで卵か、スクランブルエッグか。10人いたら7人くらいはどうでもいいと思うことを、いやいや、どうでもよくないひとたちが集まって、あーだ、こーだ、侃侃諤諤、よくよく考えてみるのが雑誌の楽しさだ。過去最高の回答が寄せられたという「たま…

「BRUTUS」No.773「なにしろラジオ好きなもので2」

テレビでは聞けないホントの話を聞きたいならラジオ。思わずでてしまう素の言葉に耳を傾けていると、語り手がまるで自分だけに語りかけているような錯覚に陥ってくる。どこかニッチでマニアック。そして、即興性に優れ、自由で新しい。今も昔もラジオが最も…

「Switch」No.288「進化する落語」

「一個手に入れたら、三個失って。そんなことの繰り返しですよ」と柳家三三は語る。「落語とは何か」という答えのない問いを一生かけて探求する落語家ほどストイックな職業はない。奇人変人のオンパレード。彼らの日常は完全に破綻している。落語家12人によ…

「Casa BRUTUS」No.168「アンディ・ウォーホルは何を遺したのか!?」

ウォーホルをしっかりと認識したのは、確か「STUDIO VOICE」の特集だった。教科書には載らない芸術がたくさんあると知ったのもちょうどその頃だ。「みんな機械になればいい」と語り、自分の墓にあえて言葉を入れるなら「全部ウソだった」と書いて欲しいと言…

「rockin'on」No.555「ザ・ローリングストーンズ」

1979年のインタビューで「俺たちみたいなバンドはドキドキできなくなったら次の日には引退するんだよ」と Keith が語ってから35年。今なお、どのバンドよりもロックンロールにドキドキしているのが Stones のすごさだ。あああ、やっぱり、さっそく後悔してい…

「& Premium」No.03「おいしいパン。」

編集者の取材対象への愛情がなんともひしひし誌面から漂ってくる雑誌に出合った。その理由をあれこれ考えてみたけれど、結局は「ていねい」なのだ。ていねいに考え、ていねいに構成し、ていねいに取材し、ていねいに写真を撮り、ていねいにデザインして、て…

別冊太陽「郷土菓子 ふるさとの味を旅する」

かつては貴重品だった甘いもの。郷土の菓子を知るということは、その土地土地で、昔から何が大切にされ、何が愛されてきたかを知ることでもある。47都道府県の郷土菓子。発祥の謂れから、伝承されてきた技、地元での食され方まで、一つひとつの物語がことの…

「ケトル」Vol.16「やっぱりタモリが大好き!」

タモリ信奉者にとってまるで福音書のような一冊。「人間にとって一番恥ずかしいことは、立派になるということです」「ケダモノ呼ばわりされて、足蹴にされて、それでもハイヒールに食らいついていく」「新聞は隅から隅まで読むと、何かしらムラムラする。新…

「BRUTUS」No.769「本特集2014 この本があれば、人生だいたい大丈夫。」

略して「ダイジョブ本 2014」。なんと秀逸なタイトル。ホント、一冊の小説に、一節の言葉に、今までどれだけ救われてきたことか。そう考えると、そもそも読書なんて「大丈夫、オレ」と思い込むための慰めみたいなもんなのかなぁーとさえ思えてくる。嫌われた…

「Switch」No.285「スタジオジブリという物語」

高畑勲と出会い、アニメの世界に入る時、宮崎駿は描きためていた漫画をぜんぶ燃やしたというエピソードがとても印象深かった。この特異な関係の二人の天才に鈴木敏夫が加わって起きた激しい化学反応。言うまでもなくそれがスタジオジブリだ。同社を描く現在…

「和樂」No.145「すごいゾ! 浮世絵」

庶民の芸術。世界に衝撃を与えた葛飾北斎はもちろん天才的だけど、江戸っ子たちが歌川広重を好んだというのがなんとも粋で、さすが日本人の美意識の高さが窺い知れる。浮世絵の高度な彫りや摺りが、今、どうやっても真似しようもないというのが実に残念。科…

「BRUTUS」No.767「小津の入り口。」

小津安二郎に憧れて、大船の撮影所(当時は「鎌倉シネマワールド」があった)や北鎌倉の円覚寺に足を運び、松竹の就職試験を受け(あっさり不採用)、上野の「蓬莱屋」でとんかつも食べた。それから20年ほど経った今もその存在の大きさは少しも変わることが…

「Casa BRUTUS」No.165「読み継ぐべき 絵本の名作100」

誕生から50年。「子供たちをびっくりさせて、喜んだ顔が見たい」一心で物語を作りはじめたと、国民的名作「ぐりとぐら」の作者・中川李枝子さんは当時を振り返る。いい本をつくりたいなら、目の前にいる大切な人のために本をつくることだ。読み継がれる絵本…

「BRUTUS」No.766「ラブソング」

忌野清志郎、aiko、槇原敬之、宇多田ヒカル、BEGIN、テレサ・テン、小沢健二、原田知世、岡村靖幸、七尾旅人、松任谷由実、Fishmans、沢田研二。そして、AKB48 からザ・スミス、キャロル・キング、内山田洋とクール・ファイブまで。この脈絡がないようで計算…

「BRUTUS」No.765「あんこ好き。」

楽しみにしていた「BRUTUS」のあんこ特集。あんこを食べる喜びが漲った、期待を裏切らぬ出来栄えに大満足。もなか、きんつば、おはぎ、たい焼きもいいけど、やっぱり大福が好き!(だからどーしたという情報ですが)それから、この際、もう一つ最後にハッキ…

「BRUTUS」No.763「ファッションの細かいこと。」

例えば、サンローランのスモーキングジャケット。299,250円。ブランドのアイコンともいえる名品を解体していくと、最高の素材と、最も手間とコストのかかる方法を用いて、104ものパーツを組み合わせてできていることがわかる。目には見えない価値をいかに伝…

「Cut」No.327「宮崎駿は、なぜ、はじめて自分の映画に泣いたのか?」

「人がボロボロ崩れていくような傾向というのは、一段と激しく、はっきりしてる」時代に宮崎駿が選んだ「風立ちぬ」。それがファンタジーではなくリアルな物語であることになんとなく得心する。私たちが生きる現代はリアルを本気で取り戻さねばならない時代…

「BRUTUS」No.761「美しき村へ。」

例えば、大きな皿に盛られた塩むすびを大勢の人たちと頬張ったり、海パン一丁で渓流で戯れる子供たちに目を細めたり、村民が熱狂する年に一度の神事に参加したり、そんなことが掛け替えのない価値になる時代となった。まさに「「取り残された」というネガテ…

「BRUTUS」No.760「日本美術総まとめ。」

東京国立博物館が所蔵する総数11万6000件もの文化財の中から、縄文時代から明治時代まで、見ものばかりが厳選された日本美術の総まとめ特集。こうやってオールタイムで振り返ってみると、天下を巡り血みどろの戦いが繰り広げられた、わずか30年の、安土桃山…

「Pen」No.342「いまこそ知りたい、アフリカ」

タンザニアの野生動物や、そこで暮らす人々の生活を、鮮やかな色彩と素朴なタッチで描く「ティンガティンガ」の絵画に一瞬にして心を奪われる。また、同じエリアの、呪術的な意味合いを持ちながら今に伝わる木彫・マコンデ彫刻にも独特の雰囲気があった。そ…