社会のシステムからはじかれ、過酷な運命を背負いつつも、這い蹲りながら生きる。バーチャルでは癒されることのない、孤独を抱える二人(プラス一人)が、血生臭いリアルに魂で反応し、共鳴した物語。「凶悪」(これがまさか2作目だなんて!)、「日本で一番悪い奴ら」、「彼女がその名を知らない鳥たち」の白石和彌監督は、のっけからスゴイ映画を撮っている。
社会のシステムからはじかれ、過酷な運命を背負いつつも、這い蹲りながら生きる。バーチャルでは癒されることのない、孤独を抱える二人(プラス一人)が、血生臭いリアルに魂で反応し、共鳴した物語。「凶悪」(これがまさか2作目だなんて!)、「日本で一番悪い奴ら」、「彼女がその名を知らない鳥たち」の白石和彌監督は、のっけからスゴイ映画を撮っている。
やっぱり殺し屋は美女に限る!おおよそマンガでも思いつかないような、ぶっ飛びまくったバイオレンス、アクションシーンの連続。めまぐるしく展開するストーリー、いくつもの復讐を宿命づけられるたびに血が流され、銃で、刀で、斧で、マシンガンで、殺って、殺って、殺って、殺りまくる。何人死んだか、見当もつかない。ここまでくると、観る者は、ただただ映画に身を委ねるしかない。恐ろしき韓国映画。感覚が麻痺して笑けてくるほどスゲぇ。
でた。全員が欠陥だらけの登場人物。ズルくて、弱くて、幼いけれど、最後まで憎めないどころか、なんか愛おしいのは、みんなどこかで誰かを、わずかながら慮っているからだ。そうかー。家族とは、良いことも、悪いことも、同じ「思い出」を共有している共同体なんだ。あまりに豪華な俳優陣にびっくり(DVDジャケットにもなっている写真がサイコー)。主演の岸井ゆきのの映画は二本目だけどすごくいい女優さんだ。
「やる」と「やらない」の間には、天と地ほどの違いがある。普段どんなに偉そうなことを言っていても決して「やらない」人間がいる一方で、うだつの上がらない奴だと思われていても「やる」人間がいる。地位や立場や境遇ではなく「やる」人間に対する至極まっとうな敬意。そして、本人たちをキャスティングするという決断。イーストウッドは本物のヒーローを本当によく知っている。88歳の現役監督。願わくば、もっと、もっと、彼の映画が観たい。