言葉では説明のできない、切なく、美しい狂気。社会的な常識なんて関係ないし、他人に慰められることなど、まったく意味をなさない。我を忘れるほどの悲しみや虚しさに打ちひしがれたとき、自らの魂を解放することでしか、人間は救われない、前に踏みだせないのだということを、真摯に、誠実に、そして何よりも詩的に、この映画は教えてくれる。破壊と再生の傑作。
映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』公式サイト | 2017年9月22日 Blu-ray&DVD リリース
言葉では説明のできない、切なく、美しい狂気。社会的な常識なんて関係ないし、他人に慰められることなど、まったく意味をなさない。我を忘れるほどの悲しみや虚しさに打ちひしがれたとき、自らの魂を解放することでしか、人間は救われない、前に踏みだせないのだということを、真摯に、誠実に、そして何よりも詩的に、この映画は教えてくれる。破壊と再生の傑作。
映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』公式サイト | 2017年9月22日 Blu-ray&DVD リリース
文明の進化が人間の暮らしを豊かにするとは限らない。というよりも、むしろ、進化が豊かさの価値観を狭め、人間を雁字搦めに縛りつけているのではないか、という確信にも似た思いを、奇想天外なフィクションによって表わした矢口史靖監督の新境地。娯楽による文明批判のまさしくお手本のような作品だった。
イライラ、モヤモヤ。何をしても上手くいかなかったり、誰も信じられなくなったり、あらゆることが嫌になったり。その原因がすべて自分自身にあるとわかっていても、認めることができない。世界はすべて敵。ティーンエイジャー特有の閉塞感をアメリカならではのユーモアで描いた青春映画。そのすべてがなんとも眩しくて、主人公ネイディーンのちょいとハズしたファッションもとってもオシャレ。
美しい映画だった。麻薬中毒者を母にもつ黒人のゲイという圧倒的マイノリティ。誰からも肯定されることのない苛酷な状況の中で、もがいて、苦しんで、絶望の果てに頬を流れた涙がほんとうに美しかった。人は誰もが孤独で、胸の奥に深い悲しみを抱えつつ、愛を探しながら生きている。そうだ、これは私たちの映画でもあるのだ。