先立った最愛の妻を追いかけようと何度も自殺を図ろうとする偏屈で実直な主人公が、偶然引っ越してきたお隣さんによって、もう一度、生を見つめ直す小さな奇跡。どんな境遇の、どんな人間であれ、人を愛し、人に愛されるため、この世に生まれ、そして、今を生きている。そんなことを思い出させてくれる温かなスウェーデン映画。苦境を乗り越えてきた人生が、切なくて、愛おしくて、しみじみする。
先立った最愛の妻を追いかけようと何度も自殺を図ろうとする偏屈で実直な主人公が、偶然引っ越してきたお隣さんによって、もう一度、生を見つめ直す小さな奇跡。どんな境遇の、どんな人間であれ、人を愛し、人に愛されるため、この世に生まれ、そして、今を生きている。そんなことを思い出させてくれる温かなスウェーデン映画。苦境を乗り越えてきた人生が、切なくて、愛おしくて、しみじみする。
原題の「冬の歌」は故郷グルジアの歌のタイトルで、その歌には「冬が来た。空は曇り、花はしおれる。それでも歌を歌ったっていいじゃないか」という歌詞があるとオタール・イオセリアーニ監督。人が人を糾弾し、抑えつけ、略奪し、いつまでも殺し合いをやめないどうしようもない人間社会を嘲笑しつつ、それでも、生きるって悪くないよと、不良ジイサンが、実に軽やかに、そして、ユーモアいっぱいに教えてくれる人間賛歌。そのセンス溢れる詩的なファンタジーにただただ酔いしれる。
これは「砂漠」を観る映画だ。あのヘルツォークによって、まざまざと見せつけられるのは、圧倒的なスケールの「映画にしか撮れない自然」があるということだ。そして、ニコール・キッドマン。自主制作のような作品から歴史超大作まで、その人が出演しているだけでどんな映画も観ようと思わせられる。彼女はそんな数少ない女優の一人だ。