現実逃避は悪くない。というより、映画や音楽や文学に、何か意義があるとするなら、悲しみを一時でも忘れさせ、逃れられない苦しみから、一瞬でも自らを解放してくれるということだ。スラム街で生まれた交響楽団。この映画が素晴らしいのは、そこのみで輝き、そこのみで自らを解放する若者たちが、ともに音楽を奏でるというところ。音楽によって魂が浄化されていくところだ。
映画『ストリート・オーケストラ aka VIOLIN TEACHER』公式サイト
現実逃避は悪くない。というより、映画や音楽や文学に、何か意義があるとするなら、悲しみを一時でも忘れさせ、逃れられない苦しみから、一瞬でも自らを解放してくれるということだ。スラム街で生まれた交響楽団。この映画が素晴らしいのは、そこのみで輝き、そこのみで自らを解放する若者たちが、ともに音楽を奏でるというところ。音楽によって魂が浄化されていくところだ。
映画『ストリート・オーケストラ aka VIOLIN TEACHER』公式サイト
どんな状況であっても「笑える」というのはとても大切なことだ。シリアスに塞ぎこみ、絶望に陥ったとしても、「笑う」ことで救われ、「笑う」ことで、また、新しくなにかをスタートさせることができる。これはそんな「笑い」の強さと可能性を信じる人たちが作った物語。それにしても、「笑みを浴びる」っていい言葉。前野朋哉の「YOKOHAMA HONKY TONK BLUES」もカッコ良かったなぁ。
その歌声を永遠に残すために、神さまがほんの少し、この世に授けたとしか思えない、早熟の天才エイミー・ワインハウスの生涯を描いたドキュメンタリー。彼女の天才が人生を狂わせたのか、狂った人生が彼女に本物の歌を歌わせたのか。哀しみと憂いがたゆたうその歌声が胸に沁みて、胸に沁みて、なんだかとても泣けてくる。
うっそおおおおおん。桂文枝ばりにイスから転げ落ちそうになる結末。なんとも独特な「間」で繰り広げられる会話と、淡々と進行していく物語に、人間の、欲深いながらも、滑稽で、どうにも憎めない性が描かれる。事実は小説よりも奇なり。驚くべきはこれが事実に基づいているということ。それにしても不思議な映画だ。