母の海帰葬をするために集まった家族。三姉妹の兄が手を滑らせ、遺灰の入った壺を、海に落としてしまうシーンがとてもいい(結局、妹たちが見つけてくれるんだけど)。悲しみが癒されていくのも、家族がもう一度絆を深めるのも、ほんとうにささいなきっかけなんだよな。傑作「ショート・ターム」への助走ともいえる瑞々しさが全編に漂う、なんかいい映画。
映画『ヒップスター』公式サイト|2016.7.30(土)より カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016@新宿シネマカリテにてプレミア公開!
母の海帰葬をするために集まった家族。三姉妹の兄が手を滑らせ、遺灰の入った壺を、海に落としてしまうシーンがとてもいい(結局、妹たちが見つけてくれるんだけど)。悲しみが癒されていくのも、家族がもう一度絆を深めるのも、ほんとうにささいなきっかけなんだよな。傑作「ショート・ターム」への助走ともいえる瑞々しさが全編に漂う、なんかいい映画。
映画『ヒップスター』公式サイト|2016.7.30(土)より カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016@新宿シネマカリテにてプレミア公開!
原題は機長のニックネーム「Sully」。この未曾有の航空機事故の映画について、事件そのものではなく、機長の葛藤に焦点を当てたところに、さすが、イーストウッドのセンスと見識がある。抑制された演技と演出。これはひとりの人間の、尊厳と誇り、そして、誠実さを描いた物語。やるべきことをやる。仕事とは。プロとは。この映画にはその答えがすべて描かれている。
極めて優秀な人間が、たった一度の過ちで、糾弾され、職を奪われてしまう。社会にとってそれは有意なことなのだろうか。過ちを許容できない社会は、やがて、何がほんとうに大切なのかを見誤ってしまいかねない。ジャーナリズムを生かすのも、殺すのも、私たちの見識にかかっているのだということをこの映画は問いかけてくる。
先日。ある年配の人に夢を尋ねたら「恋をしたい」と返答された。半分冗談のようだったけど、思い返すたびに、とても素敵な返答だなぁと思う。どれだけ年を重ねても、不安になったり、臆病になったり、盲目になったり、ドキドキしたり。これは、そんな恋の効用と副作用を、ちょっぴり寓話的に描いた映画。もうすぐ80歳。ダスティン・ホフマンはいくつになっても「いい感じ」だ。